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シニアのためのコミュニティ開発学び直し講座 シニアボランティアに行く前に 
2018年5月3日 ‐ 6日

昨今では、JICAボランティアの説明会にはシニアの方の出席が多く、若い方よりもシニアの方の積極性が目立つ、と言われています。

この「コミュニティ開発学び直し講座」は、かつて国際協力を経験したことがあって国際協力の現場への復帰を目指す方や、日本での実務経験があって新たに国際協力のボランティアを目指す方を主に対象とした学び直し講座です。今後JICAのシニアボランティアや、NGOのボランティアなどを目指す方を意識した構成にしています。

(ただし参加者の年齢制限などは設けておりませんので、受講者に制限はなく、興味のある方はどなたでも受講できます。)

ゴールデンウィーク後半の4日間にわたり、地域振興にかかわるトピックを中心に講義を行います。若いころに青年海外協力隊を経験された方であれば、きっと「あの時に知っていれば良かった」と思うような内容になっていると思います。また、国際協力の現場での経験がない方には、途上国と日本との違いについて知る機会になると思います。

講座は1日1部構成で、第一部「コミュニティ開発概論」、第二部「PRRIE講座」、第三部「地域産品を活用したビジネス開発講座」、第四部「レポートの書き方講座」の全4部、4日間で実施します。過去既にどれかを受講済みの方などは、未受講の部分のみの受講も可能です。

教科書としてはそれぞれ「地域コミュニティ開発 参加型開発・コミュニティの社会経済」「機会均等の研修実施によるコミュニティ開発 PRRIEアプローチの基礎と実践」「地域産品ビジネスによるコミュニティ開発 援助を行うための基礎知識」「小論文・レポートの書き方 パラグラフ・ライティングとアウトラインを鍛える演習帳」を用います。教科書は講座当日お配りしますので、事前購入の必要はありません。

この4日間にわたる講座は、国際協力の現場経験が豊富で、大学院で開発を教える講師、野田直人が徹底的に講義、討論を主導します。合宿のような雰囲気で学びましょう。希望される方は、会場の人の森ハウスでの宿泊も可能です。宿泊に関しては、このページの最後をご覧ください。

2日目(5月4日)の夜には懇親会を予定しています(晴天の場合)。懇親会への参加費は別途実費となります。

「シニアのためのコミュニティ開発学び直し講座」の申し込みは、ここから応募用紙(Wordファイル)をダウンロード

講座の対象者

国際協力機関、開発コンサルタントやNGOなどで実際に働いた経験のある人。国際機関や開発コンサルタント、青年海外協力隊出身者(特に村落開発・コミュニティ開発)、NGO経験者など、今一度コミュニティ開発や、村落レベルのビジネスなどについて学び直ししたい人。シニアボランティアなどで国際協力への復帰やチャレンジを考えている人。その他、興味がある方ならどなたでも。

講義の分野としては参加型開発、地域開発、地域経済開発などですが、受講には特定の専門分野の知識は必要ありません。

日程と場所、受講料など

実施場所が愛知県です。関東・関西などからですと、早朝に出れば間に合うくらいの時間設定となっていますが、できれば前泊をお勧めします。

日程: 2018年5月3日(木) ‐ 6日(日) 各日 9:30AM-17:00PM

場所: 有限会社人の森事務所(人の森ハウス) 愛知県一宮市北園通3-20(Google Mapを参照

定員:12名

受講料: 4日間通しで受講の場合 30,000円(消費税込み)。特定の部だけ受講される場合1日 8,100円(消費税込み)。

4日の懇親会に参加される方は当日会費をお支払いください(2,000円程度を予定)。会費を集めたのちに買い出しを行います。

講座の構成と時間割

第一部 コミュニティ開発概論 (3日)

第一部は途上国におけるコミュニティの実態から、参加型開発の考え方など、概論的なことから入り、プロジェクトの計画性と仮説のマネージメント、地域開発の社会的な側面、重要な経済学的な概念の実務的応用を解説します。特に計画性と仮説のマネージメントは、国際協力プロジェクトに関わった方がある人にとっては、見直しの機会になると思います。

時間 内容
9:30-10:00 受付
10:00-10:30 コミュニティとは何か
10:30-12:00 参加型開発の意味
12:00-13:00 昼食・昼休み
13:00-15:00 プロジェクトの計画性と仮説のマネージメント
15:00-16:00 村落開発における社会的側面
16:00-17:00 村落開発における経済学的側面

第二部 PRRIE (4日)

PRRIEは「機会均等を保障した統合型研修による参加型地域開発と資源管理」を意味する 'Participatory Development and Resource Management by Integrated Training for Equal Opportunity' の略です。PRRIEは2018年現在までに3つのJICAプロジェクトで採用され、JICAが実施する国内研修などでも紹介されている、研修実施をメインにした参加型の地域開発アプローチです。2018年のアフリカ開発会議(TICAD)においては、JICAのブースでの紹介も行われる予定になっているそうです。

PRRIEは機会均等を徹底したアプローチで、SDGsの「誰一人として取り残さない」を先取りしたものです。PRRIEは地域での研修実施を通して地域住民の学ぶ意欲、物事を行う意欲を高めるアプローチで、費用対効果が高く、広域を対象とした実施にも向いています。

PRRIEは講師の野田直人が提案したアプローチで、野田直人はPRRIEが使用されたJICAの三つのプロジェクトすべてに関わっています。

時間 内容
9:30-10:00 受付
10:00-11:00 PRRIEとは
11:00-12:00 PRRIEの5つの原則
12:00-13:00 昼食・昼休み
13:00-14:00 PRRIEはなぜ機能するか
14:00-15:00 PRRIEの実施体制
15:00-17:00 PRRIE現場で観察された問題

第二部終了後に懇親会として、バーベキューパーティーを実施します。希望者はバーベキューパーティーのみへの参加も可能です。交流の機会としてぜひご利用ください。

第三部 地域産品を活用したビジネス開発 (5日)

第三部地域産品を活用したビジネス開発では、一村一品プロジェクトなど、地域の産品の商品化と販売によるコミュニティ開発について学びます。付加価値の意味、マーケティングの基本、コミュニティ開発を成功させるための社会的条件など、実践的な内容です。

講師の野田直人は長年途上国での地域振興に携わり、JICA内では「一村一品専門家」とも呼ばれています。

講座はできる限り実際の例を用いて、マーケティングなどの概念を説明していきます。 日本の一村一品と海外で行われている一村一品プロジェクトの違いにも光を当て、検証を行います。

以下にカリキュラム案を掲載しますが目安です。

時間 内容
9:30-10:00 受付
10:00-11:00 売れる商品をどのように見つけるか
11:00-12:00 マーケティングの基本
12:00-13:00 昼食
13:00-14:00 高付加価値化とは?
14:00-15:00 エージェントと中間流通
15:00-17:00 日本の事例 一村一品と徳島県上勝町「彩(いろどり)」の事例

第四部 レポートの書き方講座 (6日)

国際協力の仕事においてはレポートやプロポーザルを書くことは必須とも言えます。

しかし残念ながら、日本の学校教育においては、パラグラフ・ライティングのスキルを中心とした、相手に説明・相手を説得するための論理的な文章の書き方のトレーニングはほとんど行われていません。このため、多くの日本人の書くレポートは、内容の良さにかかわらず、海外で教育を受けた人たちには読みにくく、説得力が低いものと受け止められてしまいます。

国際標準のレポート・ライティングは、もともと文化やバックグラウンドの違いを超えて、相手との意思疎通を図るために発達したものです。ですから、日本語で書き日本人が読むレポートであっても、国際標準を身に付ければ説得力が増し、一層高い評価を受けることが可能になります。

講師の野田直人は大学院において論文指導を行い、論文の書き方に関する著作もあります。

以下に時間割を掲載しますが、あくまで目安です。受講者の理解の進行具合により、時間の調節を行います。

時間 内容
1日目
9:30-10:00 受付
10:00-12:00 論文・レポートの文章構造
12:00-13:00 昼食・昼休み
13:00-14:00 論文・レポートの小構造とパラグラフ
14:00-16:00 パラグラフ・ライティング
16:00-18:00 アウトラインとマイクロソフトWORDの利用法

「シニアのためのコミュニティ開発学び直し講座」の申し込みは、ここから応募用紙(Wordファイル)をダウンロード


講師紹介

講師: 野田直人(写真は10年前のもの)

国際協力分野における参加型開発の草分け的な実践者、開発ワーカー。
三重大学農学部卒業。メルボルン大学農林学部修士課程終了。
ロンドン大学インペリアルカレッジ開発学修士コース中退。

ホンジュラス、ネパールで青年海外協力隊員として勤務した後、主にJICAの専門家として、ペルー、ボリビア、ケニア、タンザニア、セネガル、マラウイ、ミャンマー、マダガスカルなどで勤務。

2005年に開発協力の経験を伝えることを目的のひとつに、有限会社人の森を設立。また日本福祉大学国際社会開発科(大学院)の客員教授を務める。

1997年から「国際開発メーリングリスト」を主催(現在はFACEBOOKグループとして存続)。開発協力分野におけるオピニオン・リーダーの一人と目されるようになる。さらにメールマガジン「国際協力マガジン」を創刊。編集長。

著書に「タンザナイト」(風土社)、「開発フィールドワーカー」(築地書館)、「小論文・レポートの書き方 パラグラフ・ライティングとアウトラインを鍛える演習帳」「続開発フィールドワーカー」「地域産品ビジネスによるコミュニティ開発 援助を行うための基礎知識」「機会均等の研修実施によるコミュニティ開発 PRRIEアプローチの基礎と実践」「地域コミュニティ開発 参加型開発・コミュニティの社会経済」(有限会社人の森)など。共著書に「国際協力の仕事」(アルク)、「続入門社会開発」(国際開発ジャーナル社)、「参加型開発の再検討」(アジア経済研究所)「共生社会への課題」(唯学書房)など。監訳書に「参加型開発と国際協力」「参加型ワークショップ入門」「開発の思想と行動」(明石書店)など。その他開発関連雑誌への寄稿、セミナーの講師など経験多数。

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人の森事務所(人の森ハウス)へのアクセス

最寄駅はJR東海道線尾張一宮駅あるいは名鉄本線名鉄一宮駅です。遠方からおいでになる方は、名古屋駅でJR東海道線の岐阜方面行きが便利です。快速だと一駅10分強です。中部国際空港からは、岐阜行きの特急で一本、1時間弱です。

一宮駅から人の森事務所へは南東方向へ徒歩10分強です。裁判所と一宮高校をつなぐ北園通沿いにあります。「うどん市」といううどん屋さんの正面です。

愛知県一宮市北園通3-20(Google Mapを参照

人の森ハウスでの宿泊

先着3名様は人の森ハウスでの宿泊が可能です。寝室は男女を分けるのは襖一枚ですので、予めご了承ください。貸布団代として宿泊数に関わらず2,000円をお支払いください。

トイレは男女別です。女子トイレには簡易な化粧台が付いています。風呂は共用(混浴ではありません)です。キッチンには電子レンジ、炊飯器、冷蔵庫などがあります。洗濯機は一台ですが、近所にコインランドリーもあります。数台ですが自転車もあります。コンビニやスーパーも比較的近所にあります。

食事は近所のレストランや喫茶店(モーニングサービスあり!)もありますが、共同で調理していただくことも可能です。

人の森ハウスで宿泊されない方には、一宮駅周辺にビジネスホテルが多くあります。一宮市内のホテルはこちらをご覧ください。掲載のあるホテルの内「サカイ」以外は人の森ハウスまで歩ける距離です。

国際協力事業ホームページ 有限会社人の森