日本のホームレスとどうかかわるか?
by 野田さえ子
「このままでいいのだろうか。」 新宿の高層ビルの中で国際協力関係の案件ファイルの山に埋もれながら、ふと窓 の下を見下ろしたときに感じたことです。
階下では、ホームレスの群衆と東京都職員が対峙し、新宿駅地下街の構内たちの き反対を訴え、罵声と怒号がいきかっていました。不法占有者(Squatter)とそ れを排斥しようとする政府の政策。途上国の住宅問題にとりくむ人ならおなじみ の非常に古典的なテーマです。
その間近な問題を前にして、遠く海外の貧困問題に取り組む書類の山におわれて いる自分がいました。
あれから十数年。
縁あって愛知県一宮市で小さな会社を作りました。
現在 弊社では、地域に根ざしたソーシャルビジネス事業の一環として「いちの みや大学」を開設。いちのみや市民が講師になり、一宮の街中をキャンパスに、 一宮に興味のある人が集まり、ネットワークが広がることにより、地域活性化の 一助になればよいという趣旨で始め、何かが変化しているのを目の当たりにして います。
一宮に住んでから5年。これまた縁あって、地域にいるホームレス、外国人、D V(ドメスティック・バイオレンス)の支援を実践している人たちと出会いまし た。支援を必要としている人々は、日本のセーフティネットでも漏れてしまった 人々です。
「私ができることを少しずつ実践!」という思いを胸に秘め、早速、弊社の「い ちのみや大学」の社会福祉学部の講座として、その魅力的な支援者の方々を講師 とし、ホームレスの現状と支援現場について学べる機会を設けました。
日頃、海外での貧困問題に取り組んでいらっしゃる方も、身近な貧困問題の根源 や、解決策も非常に近しいものがあるのを感じられる貴重な機会です。一宮以外 からの参加も大歓迎。ぜひご参加ください。