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人の森通信2013/11/01号

「セキュリティ - マイクロ投資プラットフォーム」の紹介

by野田直人

ついに人の森も怪しげな金融商品の紹介を開始…というわけではありません。

昨今インターネットの発展により、市民が出資して途上国の開発や、新たなビジネスを支えるという仕組みが数多くできてきました。開発途上国での国際協力に特化したものとしてはKIVA(http://www.kiva.org/)などが有名です。

こうしたインターネットを通して市民から広く出資を募り、それぞれの市民が共感するビジネスを支援する仕組みは一般的には「ソーシャル・レンディング」などと呼ばれています。

今回ご紹介するのは、「ミュージック・セキュリティーズ」という日本の企業です。 http://www.securite.jp/

ミュージック・セキュリティーズ社は企業として営利ベースで事業を行っていますが、投資先として並ぶのは、大震災で壊滅的な被害を受けた東北地方の企業や、太陽光発電などの代替エネルギー、地域おこしの農業や観光、ベトナムやカンボジアなどでのマイクロ・クレジット、地域の林業再生などなど。

一般的なビジネスというよりも、社会性が強く、従って銀行などによる金融システムにはなじみにくいものを取り上げています。東北の被災企業への出資は半額を寄付とするなど、明確な意思を持って運営されていることが伺えるのがミュージック・セキュリティーズ社です。

実は3.11の震災直後、私は東北の老舗の醤油会社が壊滅状態というネット記事を読み、ツイッターでこのミュージック・セキュリティーズ社に「こうしたところの支援をするファンドを作れないか」と問い合わせました。するとその日の内に「やりましょう」という返信があり、あれよあれよと言う間に、この醤油会社のみならず、他の被災企業や漁師さんのビジネス再建を支援するファンドを次々と立ち上げてしまいました。このしなやかさと行動力は見事という他はありません。

これ以降私はミュージック・セキュリティーズ社のファンとなり、あちらに少し、こちらに少しと、元本保証が全くないファンドに、支援のつもりで投資しています。今年の夏には、出資先の沖縄の牧畜会社から「元本は返せそうになくて申し訳ありません」と、牛肉の現品支給がありました。

高リターンを求める人には向かない投資先ですが、支援していて楽しいファンドが並んでいると思います。

ミュージック・セキュリティーズ社を紹介しようと思ったきっかけは、新しいファンドとして、身体障害者を受け入れられる旅館を支援するファンドが立ちあげられたからです。実は私の姪の一人も障害者。ビジネスとしてこの旅館がやっていけるかどうかは、正直かなり厳しい面もあると思いますが、障害者や家族の方たちがのんびりできる場作りに取り組もうという姿勢を支援したい、と思いました。

インターネットによってこのような取り組みを知り、サポートに参加できる機会が得られることを嬉しく思っています。

 

 

 

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