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人の森国際協力>>アーカイブス>人の森通信2010/04/23号

売るための基本書 "MARKETING MANAGEMENT"

MARKETING MANAGEMENT
Philip Kotler (著), Kevin Keller (著)

商品・サービスをどうやって生みだし、売っていくのかの基本書。 最近になって原本を読みましたが、包括的で非常によかったです。

日本語版もあります。 コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版

さびれた温泉やリゾート地の再生者として有名な、星野リゾートの星野社長も、 従業員とともに本書を読み、自社の戦略に取り込んでいます。

やはり、星野氏も書かれてあるように、教科書と呼ばれるものをきちんと実践で きているか、が本当にビジネスで成功するのに必要なことだと思いました。

教科書どおりに実践すると、実際にモノが売れていくのがわかります。

ビジネスを興す人も、ビジネス振興を手助けする人にも一読に値する、基本書で す。

途上国向けのビジネス振興には、現地の流通・インフラ・市場のアクセス・人々 の嗜好・行動パターン、情報へのアクセス手段など、途上国の事情に読み替えな ければならない部分がありますが(大規模なデータ解析やマーケティングリサー チなどは難しい等)、モノを売る基本の考え方は網羅されています。

このマーケティングの基本原則は、地域産品開発の際にも非常に参考になります。

例えば、山形で導入された「一村一品運動」では、「大沼」という地元の百貨店 のキーマンが中心となり、展開していったそうです。この経験をもとに、地域食 品開発の基本原則として磯部昌氏はいくつか成功のコツをあげています。

(1)郷土の特性と伝統を尊重する
(2)消費者ニーズを表面的ではなく本質的に理解する。
(3)一般市場での成功例や量産量販食品の外観や技法などを盲目的に模倣しな い。等

こうした基本原則は、コトラーのマーケティングの理論と、やはり一致するもの があると思われます。

さすが第13版まででている教科書。素晴らしい。

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