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人の森国際協力>>アーカイブス>人の森通信2010/04/23号

コラム「一村一品運動は誰のため?」へのコメントご紹介

■ コラム「一村一品は誰のため?」へのコメントご紹介 1

「人の森通信、興味深く、読ませていただいております。私は大分の出身で、8年前までは別府の市長の顧問をしておりました。平松前知事ともお会いしたことがあり、大分がサッカーのワールドカップの会場になった時は、フランスでの事前調査にも協力しました。

前置きはさておき、一村一品運動は、町おこしや人づくりなど地元住民の意識改革が鍵になっていたことは言うまでもないことですが、もう一つ重要なことがあ ります。

それは、平松さんが当初、自分で大分の物産を自ら売り歩いたことです。

例えば、焼酎の「いいちこ」を作っている三和酒造の西社長は、個人的にお付き合いが長いのですが、当初、平松さんは、通産官僚だった時の人脈を生かし、銀座などで「いいちこ」を置いてもらうことに奔走したそうです。

「いい物を作れば、知事がセールスマンになって売ってくれる」というのが、地元住民のモティベーションを高めたことは言うまでもありません。

また、県が、地元の物産をブランド化することにも尽力し、とにかく、いい物を作れば売れるという確信を与えたことが、成功をもたらす原動力になったと言えます。

生産者は所詮、全国規模で売るためのマネジメントはできません。そういう意味では、平松さんが通産官僚だったことは大きいと思います。

無論、途上国への適応では、別の課題も多いわけですが、以上、参考のためにメールしました。

安部雅延」

(野田さえ子より↓)
安部雅延先生は、海外人財ネット(http://www.kaigaijinzai.net/)のパートナーコンサルタント・講師でいらっしゃり、日本企業のグローバル化のキーパーソンです。

「異文化を怖がる若者たち」などおもしろいコラムが満載の、ブログ「安部雅延の新欧州事情」をぜひご覧ください。 http://gworks21.livedoor.biz/

想定外の方からコメント頂き、うれしいかぎりです。

安部先生のおっしゃるとおり、ブランド化への行政の役割は大きいかと思います。企業でも、特に中小企業においてトップセールスの重要性がいわれますが、地域おこしにおいてもそうかもしれません。次号は、そうした行政の役割について考えていきたいと思います。

■コラム「一村一品は誰のため?」へのコメントご紹介2

「久しぶりに大分に行ってきました。成功の秘訣の解釈にはいろんな側面がありますが、関わった人々のWE(=私たち)精神(I=私ではなく)というのが強調されていました。日本までやってきた研修員に伝える(見せる)のは、実際にそうやって活動している人たちの生き様だと思います。

でも、「それでは食えない」と言われたときにどう応えるか? 次号つづきを読めるのを楽しみに期待しています。

名古屋大学大学院国際開発研究科
教授  西川 芳昭
(農村・地域開発プログラムディレクター)」

(野田さえ子より↓)
西川先生、貴重なコメントありがとうございました。

「食えるか、食えないか」という話しは、短期的なリターンと長期的なリターンをどう折り合わせるのかというテーマにもつながるかと思います。大分の一村一品運動は長期的な運動でしたが、短期的なリターンを得るコツもあります。

一村一品運動の3原則をどう具体化して行動すれば、長期的なリターンと短期的なリターンが得られるのかについての具体的にノウハウをまずわかりやすく伝え、自国への適用を考えてもらえるのか、そこが工夫しどころではないかと、「国際協力とビジネス」を専門としている自分の、研修プログラム提供者としてのチャレンジだと思っています。

また、そうした長期的なリターンと短期的なリターンの両方の可能性を研修員に伝えることはできるのではとも思っています。

例えば、商品開発という短期的なリターンについても、モノが売れるには法則があり、きちんと基本をおさえれば売れる、また、商品が売れる市場・競争を勝ち抜く市場は思っているより広いとも思っています。

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