人の森国際協力>>アーカイブス>人の森通信2009/10/09号

本の紹介「裸でも生きる~25歳 女性起業家の号泣戦記」

by 野田さえ子

本の紹介「裸でも生きる~25歳 女性起業家の号泣戦記」 山口絵里子著 講談社2007年

さて、クイズです。

貴方は今、バングラデシュの貧困削減にとりくもうと地域産品であるジュート(麻)素材を使ったバックを日本で売ろうとしていいます。もちろん、社会的問題解決に対する強い思いを持っています。

幾度もの試行錯誤を経て、日本で売れそうなデザインができあがり、バングラデシュまで何度もでかけて、やっとの思いでその生産が可能なバッグ製造工場を選定しました。

年末のある日、貴方はバングラデシュへ再び出張しました。必死の思いでアルバイトをしながら貯めたお金で買える、200個ほどのバッグを作ってもらおうと、貴方はそこの社長さんと交渉しているとします。

工場にいくと、数千個単位以上でバッグをオーダーしているアメリカや中国のバイヤーの存在を知ります。

貴方は、何度も工場に通いました。そしてこの社会に対する思いを社長さんに伝え、社長さんも貴方の思いに共感してくれています。

しかし、社長は、「アメリカや中国からのバイヤーが買い付けに来る。僕たちはこれから忙しくなるので、君のために生産ラインを割くことができない」と冷たく貴方にいいました。

資金がないために、オーダー量が少ないのが決定的な弱点です。

さあ、貴方ならどうしますか?

選択肢1:「私の思いを知ってくれているはずなのに、どうして社長はそんな冷たいことを言うんだ。だからバングラデシュは発展しないんだ」と愚痴る。

選択肢2:お金を貯めて、年が明けた春ごろにオーダー量を増やして注文をする。

選択肢3:この生産者をあきらめて、次の生産者を探す。

選択肢4:友人、知人からお金をかき集めて、優先してもらえるくらいオーダー量を増やし、生産ラインの優先権を確保する。

さあ、貴方は、どの選択肢を思い描き、どのように行動をおこすでしょうか?

同書の著者である、山口絵里子さんはなんと別の選択肢をとりました。そして成功させています。

彼女は、23歳で起業し、28歳の現在でも、バングラデシュのジュート(麻)素材などを使った高品質バックの生産・販売を行う(株)マザーハウスの社長です。

彼女は学生時代、開発学に“はまった”そうですが、成功させた源は、学問や研究ではおそらくなく、数多くの体験からくる洞察や知恵や行動の集積です。彼女がとった選択肢とその後の行動が、それを端的にあらわしており、深く感銘しました。

彼女がどんな行動をとったのか、是非同書をお読みください。

国際協力や開発学を学問の専攻としてしまっている人には特にお勧めです。

自ら思い描き、考え、学び、行動するためのヒントがつまっています。

なお本書の続編「裸でも生きる2 Keep Walking私は歩き続ける」も出ています。

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