人の森国際協力>>アーカイブス人の森通信2011/2/28号

シリーズ 社会的企業家 野老真理子社長に学ぶ
第三回:「あるものを活かそう、そしてつなげよう」

国際協力コンサルタント・中小企業診断士 野田さえ子

ソーシャル・ビジネスを運営する知恵を、社会的企業である大里綜合管理株式会 社の野老真理子(ところまりこ)社長から学ぶシリーズ第三回目です。

今回のテーマは、「あるものを活かそう、そしてつなげよう」、です。

何かビジネスを立ち上げよう、あるいは新しく何か始めようと思う場合、今自分 には「ない」ものに目が行きがちです。

Vオフィスがない→さがさなくては。
人脈がない→人脈を構築しなくては。
資金がない→調達先をさがさなくては。
情報がない→調べなくては。

などなど。

他者のビジネスモデルを調べてみたり、他者のビジネスの工夫点を勉強してみた り、調べれば調べるほど、勉強すれば勉強するほど、自分に「ない」ものに目が 行きがちです。

ソーシャルビジネスをこれから立ち上げようとする人たちへ、野老真理子社長は、
こうアドバイスして下さいました。

「自分の中でこれまで大切にしているテーマが2つあります。」

「それは、『あるものを生かすこと』。そして『つなげる』こと。この二つです」。

「ないものを求めるのではなく、今あるものを探して、そこから始めたらいい。 そこにもっともっとヒントがある。」

「そして、その今あるものを活かし、それらを繋げていくことを一つ一つ行って いけば、そのうち足りないものが揃っていく。そのためには、まず、あるものを 探そう。必ず見つかるはず。」、と。

これには、私もはっとしました。

私たちの会社も、野老社長の会社のように、当社でも地域に根差したコミュニティ ビジネスを展開していきたいと考えていました。

現在私たちの「ないもの」は、人が集まるための場所、です。これまでも、当社 を置く一宮の街に、社屋をずっとさがしてきました。しかし、まだ見つかりませ ん。

しかし、野老社長の言葉を反芻し、今自分たちに「ある」ものに焦点を置き、そ れらを繋げることことから始めれば、社屋が見つかるまでに、多くのことができ ます。

例えば、私たちは、市民大学「いちのみや大学」を開催しています。
http://ichinomiyadaigaku.com/

本業である国際協力コンサルティング業および企業向けのコンサルティング・研 修事業を通して、私たちが既に持っているものは「コンテンツ作成と提供のノウ ハウ」、そして人の森という社名にも表れているとおり「豊かな人脈」です。

持っていないものは、場所です。

しかし、場所を創り出すために、今「ないもの」ではなく、「あるもの」に焦点 をおけば、自分たちにも多くの可能性があることに気付かされます。

例えば、弊社 人の森のネットワークの中に、地元一宮で共に育った幼馴染の友 達や、ここの地に来てから知り合った地元の人が多くいます。そうした人々は、 既に「町興し」をしようと、コミュニティ・スペースやコミュニティ・カフェを 始めています。例えば、こうした場所と、自分たちが提供できるコンテンツを 「繋げれ」ば、人が集まるための場所を創り出すことが可能です。

まずは、「あるもの」を探し、「繋げる」ことを考えれば、無限に「できる」可 能性が広がっていく――。

大きな発見でした。

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