人の森国際協力>>アーカイブス>人の森通信2017/01/20-2号

本の紹介 『地域産品ビジネスによるコミュニティ開発 援助を行うための基礎知識』
野田直人著

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本書『地域産品ビジネスによるコミュニティ開発』は国際協力の現場で働く人たちのスキルアップを支援するための教科書「国際協力の教科書シリーズ」の3冊目、ビジネス系の教科書としては2冊目です。

 「国際協力の教科書シリーズ2」の『ビジネス振興と経営』は、ビジネスに関する専門基礎知識を、どちらかと言えばビジネスの実施主体の立場から見て解説してあります。それに対して本書は、援助団体が地域のビジネスを支援するケースを念頭に、援助する側が考慮すべき事項、あらかじめ身に着けておくビジネスや地域振興に関する専門知識やアプローチを解説しています。ぜひ両書を併せてご利用ください。

昨今途上国におけるコミュニティ開発・地域振興の分野において、経済活性化を必要不可欠と考え、地域産品の活用を支援しようという動きが加速しています。
日本では一村一品運動や、徳島県上勝町の「彩(いろどり)」のケースなどの成功例があり、そのようなアプローチを途上国に移植しようという試みがなされています。各国で行われている一村一品プロジェクト、そして地域資源の発掘などです。

日本人なら、途上国の地域住民に地域産品を活用しての商品開発や商品販売を教えることができると考える人や団体が多いですが、その実、国際協力において, ビジネスと地域振興の両方に成功している事例は非常に限られています。商品開発や販売に成功している事例が限られている上に、商品で成功しているケースにおいても、地域全体の振興に繋がっていないのが大部分です。

地域産品を活用した村落開発は、生産から加工・流通・販売という企業が通常の商品を扱うのと同じ知識が必要であるほか、コミュニティ開発の知識も必要になる大変な作業です。ビジネスの基本と、ビジネスの成功を地域全体の振興に繋げる工夫の両方が必要です。日本の成功事例を参考にしようにも、日本での成功理由の要素の抽出が不十分であれば、現地に向けたカスタマイズもできないまま導入を試み、空回りしてしまいます。

このテキストでは、商品を扱うビジネスの基本知識をレビューし、また、ビジネスの成功を地域振興に繋げている日本の地方の特徴を解説します。援助関係者が基礎知識を身につけ、さらに日本と現地との社会的な違いをよく認識することを期待しています。日本の国際協力関係者が、現地の産品を利用したビジネスを支援し、地域振興に繋げていく現場で働くための土台作りを目指しています。ビジネスには100%の成功はあり得ません。現地の状況によって、比較的ビジネスが容易な場合もあれば、困難な場合もあります。地域振興に繋げるためには、長期間
の人材育成や、コミュニティの形成が必要な場合もあります。このテキストは、 現在国際協力関係者が抱えている「商品が売れない」といった、個々の具体的な問題を解決するためのものではなく、今後のアプローチを考える上での参考として、成功確率を徐々に上げていく助けになる基として編集しました。

一村一品、市場志向型農業、フェアトレードなど、商品開発と販売を手段とした地域振興に関わる国際協力関係者の皆さんは、ぜひ本書で基礎知識を学んでくだ さい。

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