人の森国際協力>>アーカイブス>人の森通信2010/08/24号

本の紹介「不確実性分析実践講座」

by 野田直人

http://hitonomori.com/books/4904336402.html

当社が以前実施していた開発フィールドワーカー講座や、お盆の村落開発講座に出られた方の多くは「仮説分析」を学び、また講師がしつこいくらいに「不確実性のマネージメントが必要」と繰り返していたことを覚えておいでかと思います。

開発協力で想定される計画は、多くの場合論理が直線的で「外部条件が満たされれば、計画通り実行できる」などとしがちです。でも、実際の社会では、ものごとはそのように単純に動いてはくれません。外部条件が「満たされる」「満たされない」が明確なものとして把握できる場合はむしろ稀です。実際には、不確実性に対して仮説を立てながら物事を勧めて行かざるを得ません。

「不確実性分析実践講座」は、そんな状況によりよく対処するためのヒントを与えてくれる本です。国際開発関係の文献には、不確実性のマネージメントに関する文献は皆無で、以前から「何か紹介できる文献はないかなあ」と思っていました。最近改めて検索をかけていて、昨年末に出版された本書を見つけました。

基本的にビジネス書ですから、想定されているケースで収支のシミュレーションが使われるなど、国際協力の現場よりも数字になじみやすいのは確かだと思います。国際協力では、紹介されているようにExcelを使ってシミュレートする、ということは困難かもしれません。

それでも本書は、開発協力で忘れられている不確実性を考慮した上での意思決定のあり方の基本を示してくれます。開発協力の本からは得ることのできない視点だと思います。興味のある方は是非一読ください。

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